"Nowhere"は、見方を変えれば"Now Here"でもある - 言われればその通りなのですが、何年前でしょうか、初めてこのことを知った時にはかなり驚きました。どこで知ったのかはもう定かでありませんが、HEATWAVEの山口洋さんのブログか何かだったのではないかという気がします。
ただの言葉遊びではありません。今でもこの2つの言葉を時々思い出すのは、「どこでもない場所」と「今、ここ」という一見対極にあるものが、すっと入れ替わってしまうことに強い印象を受けたからだと思います。
このように、見方を変えることで生まれる新しい意味合いには、とても心惹かれるものがあります。自分が元々の意味を当然のものと受け止めていればいるほど、そして新しい意味がそこから飛躍していればいるほど、視点をずらすことで広がる新たな地平が新鮮なものに感じられるのです。
自分が気に入っているそんな例として真っ先に挙げられるのが、高知県西部の黒潮町(旧大方町)にある「砂浜美術館」です。
http://www.sunabi.com/
「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」というコンセプトのもと、数キロに渡って広がる砂浜を美術館に見立てて松原や沖を泳ぐクジラ、砂浜の風紋などを作品だとするこの場所は、自分がもっとも好きな美術館のひとつです。毎年ゴールデンウィークの頃に開催される「Tシャツアート展」、是非また訪れてみたいと思っています。
もう一つ挙げておきたいのが「屋根の家」。建築家の手塚貴晴さんと手塚由比さんが設計した住宅です。屋根の上で過ごすのが好きだった施主のご家族のために、上でご飯を食べたり、ごろんと横になったりできる広~い屋根のある平屋建ての家ができあがったんだそうです。手塚さん夫妻が書いた『きもちのいい家』という本にも設計のプロセスなどが記されていますが、「屋根の上」を「屋根の下」と同じぐらい、もしくはそれ以上に重視したこの家は本当に素敵です。
自分が気づいていないものの見方や意味合いというのは、まだまだあるはずです。そうそう頻繁にあることではありませんが、またそんな気づきに出会えることを楽しみにしています。
2011年1月26日水曜日
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