2011年1月6日木曜日

「リチャード・ジョン:成功とは終わりのない旅である」(邦訳原稿)

以下は、TED Talksのひとつ「「リチャード・ジョン:成功とは終わりのない旅である (Richard St. John: "Success is a continuous journey")」の、拙訳による日本語訳文です。このトークの紹介についてはこちらをご覧ください。





なぜこれほど多くの人々が成功を勝ち取った後に失敗するのでしょうか? その主な理由は、成功を一方通行のものだと考えてしまうところにあります。私たちは、成功するためなら何でもします。でも一旦成功すると、やり遂げたと思ってしまいます。心地よさに身を任せ 自らを成功に導いたこと全てを行うのを止めてしまいます。するとすぐに下り坂がやってきます。これは実際に起こるのです。私の身にも起きたのですから。

成功を掴まんとしている時、私は必死で働き、自分を追い込みました。でもその後止まってしまったのです。「やり遂げた。もう楽ができる」と思ったから。

成功を掴まんとしている時、私はいつも自らを高め、良い仕事をしようとしました。でもその後止まってしまったのです。「私はもう十分良い仕事をしている。これ以上良くするところはない」と思ったから。

成功を掴まんとしている時、私は良いアイデアを思いつくのがとても上手でした。アイデアに結びつくようなあらゆることを実践していたから。でもその後止まってしまったのです。自分はやり手だからアイデアを出すために 努力しなくてもよいはずだ、アイデアは魔法のように湧き出るものだと思ったから。実際に湧き出たのは創造性を邪魔するようなものだけでした。何のアイデアも生み出すことができなくなりました。

成功を掴まんとしている時、私はいつも顧客やプロジェクトに集中し お金のことは無視していました。でも、大金が転がり込むようになったのです。そしてそれに気を奪われました。突如として私は株式仲買人や不動産屋とやり取りするようになりました。顧客と話さなければならないのに。

成功を掴まんとしている時、私はいつも自分の好きなことをしていました。でもその後、好きでないこともしなければいけなくなりました。例えばマネジメント。私は最低のマネージャーです。でも自分はそれをしなければならないと思ったのです。会社の社長なのだから。

すぐに黒い雲が私の頭を覆うようになりました。外から見れば私は大いなる成功者でしたが 内に闇を抱えていました。でも私は男です。どうやってそれを治せばよいかはわかっていました。スポーツカーを買ったのです(笑い)。 上手くいきませんでした。より速い車に乗っても同じように憂うつでした。

それで医者のところに行き、こう言いました。「先生、欲しい物は何でも買えるのに幸せじゃない。心が沈んでいるんだ。皆が言う通りだった。でも自分の身に起きてみないとわからなかったよ。お金では幸せは買えないんだ。」と。 先生の答えは「その通り。でもプロザックは買えるよ。」でした。 そして抗うつ剤を処方したのです。黒い雲は少し消えました。でも全ての仕事もなくなりました。私が浮雲のようになってしまったからです。顧客が電話してくれるかどうか、気にも留めなくなりました(笑い)。

そして顧客たちは電話してこなくなりました(笑い)。 私が彼らに尽くしていないのがわかったからです。 私は自分のことしか考えていませんでした。それで客たちはお金やプロジェクトをよりサービスの良い他社のところに持って行きました。

ビジネスが岩のように転げ落ちるのも時間の問題でした。パートナーのトムと私は全ての従業員を解雇しなければなりませんでした。たった2人だけになり、沈没寸前でした。でもそれが良かったのです。従業員がいなければ、管理する必要もありません。

それで私は再び自分の好きなプロジェクトに戻りました。また楽しくなり、より一生懸命働きました。簡単に言うと- 私はあらゆることをやり、再び成功を手にしたのです。それは簡単ではありませんでした。7年間かかりました。

でも最終的には、ビジネスは以前よりもさらに成長しました。これら8つの原則に従っていると 頭の黒い雲はすっかり消えてしまいました。ある日私は目を覚まし 「もうプロザックはいらない」と言いました。薬を捨て、それ以来はもう必要としていません。

私は、成功とは一方通行ではないんだと学びました。こんな感じというよりは、こちらに似ているのです。 成功は、終わりのない旅です。もし「成功したがために失敗する症候群」を避けたいのならば この8つの原則に従い続けることです。それはどのように成功するかということだけでなく どうやって成功を続けるかにも関わることだからです。あなたたちの成功が続くことを願って。ありがとう(拍手)。

※このトークの翻訳は、Masahiro Kyushima さんにレビューをしていただきました。

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