2011年1月24日月曜日

読書ノート「スティーブ・ジョブズの流儀」

アップルの創業からiPod・iTunesあたりまでを対象に、スティーブ・ジョブズの仕事に対するアプローチを追った本です。

スティーブ・ジョブズの流儀
スティーブ・ジョブズの流儀リーアンダー ケイニー 三木 俊哉

ランダムハウス講談社 2008-10-23
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ジョブズを崇拝も酷評もせず、さまざまな場やインタビューなどでの彼の発言を丹念に拾い集めたり、アップルの創業時から最近に至るまでの各プロジェクトでの中心人物への聞き取りなどを行ったりすることで、ジョブズの考え方を浮かび上がらせています。

自分もiPodやiTunesは使っていますが、スティーブ・ジョブズ関連の本はこれが初めてでした。アップルの大ファンという程でもないので、面白くなかったら途中でやめようというぐらいのつもりで読み始めましたが、一気に最後まで連れて行かれました。全体を通した内容ももちろん面白かったのですが、ジョブズを始めとする登場人物の言葉や、文脈に合わせて著者が引用した節が非常に力を持っていて、その点がとても印象的でした。幾つかを抜粋して引用します。

「 スティーブのやり方がほかのみんなとちがうのは、最も重要な決定は何をするかではなく何をしないかを決めることだ、と信じていた点だ」(ジョン・スカリー)

「フォーカスグループに何がほしいかを尋ねてもイノベーションはままならない。彼らは何がほしいかを知らないからだ。大衆車を世に広めたフォード・モーター創設者のヘンリー・フォードがかつてこう述べている。『もしお客様に何がほしいかと訊いていたら、もっと速い馬という答えが返ってきただろう。』」

「簡潔さとは複雑さを研ぎ澄ましたものである」(コンスタンチン・ブランクーシ)

「イノベーションとはお金ではない。人材であり、彼らをどう導くかである。それをどれだけ理解しているかである。」(スティーブ・ジョブズ)

「年をとればとるほど。動機こそが大切なのだという確信が深まる。」(スティーブ・ジョブズ)

事業経営だとか新規製品の開発といった分野に限らず、日々の暮らしの中でもはっと我が身を振り返ってしまうような、そんなフレーズが散りばめられた本でした。

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