子どもの頃に学校で先生にされた話というのはもうほとんど覚えていないのですが、小学校3~4年の時の担任だった六車先生という女性の先生に教わったことは、今でも時々頭に浮かんでくることがあります。子どもの心をつかむのが非常に上手な先生だったのですが、特に印象深かったのが「桶の水」の話です。細かい違いはあるかと思いますが、大体こんな内容でした。
○年□組を一つの桶だとすると、クラス40人のみんなは一人ひとりが
桶の側板です。40枚の側板がぐるりと一周して、桶になるのです。
コップを水で一杯にして、その上からさらに静かに水を注ぐと、
水がコップの縁よりも少し盛り上がって入るのを知っていますか?
桶も同じです。みんなで力を合わせれば、側板の高さよりも
多くの水を入れることができます。
でも、どこか1枚でも側板の高さが低くなってしまうとどうなるでしょう。
そこから水が流れ出し、桶を水でいっぱいにすることはできません。
クラスで何かに取り組むということは、桶に水を入れるということです。
「自分は低い側板でいいや」と考えるのではなく、みんなで協力してください。
そうすれば、一人の力ではできないものを作り上げることができます。
どんな流れでこの話が出てきたのかは忘れてしまいましたが、内容からすると、恐らくはちょっと説教をしなければ、という状況だったのではないかと思います。ただ、先生は声を荒げる訳でもなく、黒板に桶の絵を描きながら静かに話をしていました。その姿はよく記憶しています。
これが言い伝えとかことわざのように、昔から伝わる有名な話なのかどうかは知りません。水の表面張力のこととか、今考えるとちょっと高度な内容が含まれている気もします。でも、大切なのはそのあたりの物理法則とかでなく、先生が子どもにもわかりやすいようにチームワークの大切さを話したということです。だから自分は今でもこの話を覚えているのです。
人の能力ややる気、志向性はさまざまです。だから実際のところ、人を桶の側板に例えるならば高さはバラバラなのかもしれません。でも何かをチームとして行う時には、それぞれが自らの持ち分を果たしながらも、側板の高さを合わせてチーム全体の成果を最大にすることも考えなければならない。 - 先生の話を今の自分が解釈しなおすと、こういうことなんだろうと思います。
2011年2月13日日曜日
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