2011年5月2日月曜日

アメリカからの友情

震災への支援について、僕の身の回りに起きていることを紹介します。ささやかな事例ですが、遠くからでも災害から立ち上がろうとしている方たちを応援しようとしている人がいること、そしてそのつながりから僕も大きな励ましを受けていることを記しておきたいと思います。

以前カリフォルニアに留学していた時、アパートの隣の部屋に住んでいたおばさんとお婆ちゃんの母子に仲良くしてもらっていました。母親のカーラが85歳、娘のローズマリーが60歳ぐらい。当時1歳だったうちの子をすごく可愛がってくれ、また息子も、隣の家で飼っていた猫(よく廊下を散歩していた)に興味津々でした。僕たちが帰国した後も、時折メールでの連絡は続け、カリフォルニアを訪れる際は2人のところに遊びに行ったり していました。

3月の震災の後、 ローズマリーがうちに電話をかけて来てくれました。それまで、彼女たちと国際電話でのやり取りをしたことはなかったので、どれ程心配してくれているのかが察せられました。津波の被害や原発の報道などを向こうで見て、僕たちのことを案じてくれたのだと思います。気遣いに感謝しつつ、大きな地震だったけれど、東京に住んでいる自分たちは大丈夫だということを伝えました。

それから2週間ほどしたある日。2人から封筒が届きました。僕たちのこと、そして被災地の人々を気遣う手紙とともに、10羽の折り鶴(以前に作り方を教えたことがありました)、そして何と100ドルの郵便為替が同封されていました。温かいメッセージ、そして「Friends forever」という結びのひと言を見て、涙がこぼれそうでした。決して裕福ではないだろう2人からいただいたお金の重さを感じつつ、2人がうちの子どもにとても良くしてくれていることを考え、被災地の子どもたちに絵本を買って送るための資金の一部として使うことにしました。そのことを報告すると、「よかった。あのお金は、どこかの団体に寄付するものでなく、直接役に立ててもらいたかったの。」という返事がきました。

そして数日前。2人から再び封筒が届き、メッセージ・カードとともに今回も100ドル分の郵便為替が同封されていました。100ドルというのは、決して少ない額ではありません。また、日本での換金時に手数料がかからないので、アメリカで郵便為替を作る時点で少なからぬ手数料がかかっているはずです。あまり負担になっていなければよいのだけど・・・と心配をしつつ、2人の友情と好意に深く感謝する返信を送りました。「直接役立ててほしい」と僕たちに支援金を送ってくれた以上、これを大きな団体に寄付する訳には行きません。2人の代理として、現地で活動をしている団体で子どもの支援を行っているところに直接寄付をしようと、現在宛先を考えているところです。

カーラとローズマリーからいただいた温かいメッセージと支援金を通じて、個人のつながりの大切さ、そして広く災害支援についていろいろなことを考えました。もし逆のケースでアメリカで地震が起きていたら、自分は2人に同じような気遣いの言葉や支援金を送ることができていただろうか?遠くアメリカからいただいた好意に比する継続的な支援を、被災地と同じ日本に住む自分が出来ているだろうか?などなど。2人の姿勢に見習わなくてはいけない点がいくつもあるなと感じつつ、人と人とのつながりを通して、最も支援をしたいと思う分野に直接お金やモノが回るような支援のあり方に、こうした形で少しでも貢献できていければよいなとも考えています。

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