東京シェア生活 | |
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シェア生活用の物件に特化したひつじ不動産が監修し、都内にあるシェア住居の雰囲気や住民、デザイナーの声などを紹介したのがこの本です。
冒頭で、シェア住居の原則として2点が挙げられています。
「リビングルームやキッチンといった、入居者同士の交流を自然にうながす要素を持った共有スペースがあること。」
「原則として同居していない運営者が管理の最終的な責任を担っていて、入居者は各々家賃を支払うこと。」
このうちの2番目の項目が、シェア生活への注目を集める上で特に重要なのかなという気がしました。ひと昔前、自分が学生だった頃や、また留学していた時も、シェア生活をしている友人はいました。でもその多くは複数人数で住める広めのマンションや一軒家を友人・知人と共同で借りて住むという形でした。トラブルがあれば自分たちの間で解決しなければなりませんし、誰かが出ていくとなれば新しい同居人を探したり、またその人が見つかるまでは家賃を少ない人数で負担しなければいけなかったり、といった大変さがありました。
それがいいんだ、という人ももちろんいるでしょうが、第三者としての運営会社が物件のデザインや品質管理をしっかり行い、不満やトラブルの仲裁役としても機能してくれ、同居人数の増減によって家賃負担が変わったりすることもないという点は、シェア生活へのハードルを下げる上で大きな役割を果たしているはずです。
この本を読んでいちばん興味深く感じたのは、「若者以外は対象になるんだろうか」ということです。いまのシェア生活は学生から20、30代の独身者が主な対象になっていると思うのですが、例えばカップルや既婚者、子どものいる家族を対象にしたシェア住居にはどんな形が考えられるのか。また、日本では一定年齢以上になると単身赴任をする会社員も多いのですが、そうした家族持ちの単身層だとか、あるいは高齢の単身生活者などに向けたシェア住居というのはあり得るのか?
孤立社会とか無縁社会といった言葉も飛び交う中、「個」と「共」のエリアを新たな形で結びつけようというシェア住居が、今後そういう方向にも展開していくと面白そうだなと感じました。
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