2010年12月31日金曜日

「ゲーバー・タリー:子どもがすべき5つの危険なこと」(翻訳)

以下は、TED Talksのひとつ「ゲーバー・タリー:子どもがすべき5つの危険なこと (Gever Tulley on 5 dangerous things for kids)」の、拙訳による日本語訳文です。このトークの紹介についてはこちらをご覧ください。



2010年12月30日木曜日

「ゲーバー・タリー:子どもがすべき5つの危険なこと」(紹介)

自分が日本語に翻訳したTEDトークを紹介するエントリです。

ゲーバー・タリー:子どもがすべき5つの危険なこと (Gever Tulley on 5 dangerous things for kids)

[TED2007, 9分22秒]

ソフトウェアのエンジニアであるゲーバー・タリーが、自らがカリフォルニアで主宰するTinkering School (工作の学校)という子どもたち向けの課外キャンプでの体験をもとに、子どもが生きる力や創造性を身につけるために行うべきことを語ります。

トークの要旨は、こんな感じです。
「今の社会は子どもを過度に危険から遠ざけようとするため、かえって危険に対する子どもの察知力を弱めたり、危険もあるけれど役にも立つ道具の使い方を身につけることが難しくなったりしている。本当に危ないことにはならないよう配慮した上で多少危険な体験をさせることで、子どもたちは楽しみながら身の回りの環境をコントロールする術を学んでいく。」

自分も子どもを持つ親として、その通りだなあと実感します。日々の生活の中では、よほど意識をしていないとついつい「それは危ないからダメ!」と言ってしまいがちでもあるのですが。「何を、どこまでならやらせても大丈夫なのか」をその時々の状況に合わせて判断しながら、できる限り子どもの行動を自由にさせること。それは、親をはじめとする周りの大人たちの見識や能力に深く関わってくることなのだと思います。

ちなみに、このトークで"執筆中"と語られている「50 Dangerous Things」は、2009年に出版されました(こちら)。

また、タリーは2009年のTEDでも講演しているのですが、Tinkering School (工作の学校)での子どもたちの様子が語られるこちらのトークも非常に面白いです。こちらは僕が翻訳したものではありませんが、リンクを入れておきます。

ゲーバー・タリーが工作を通じて教える人生の教訓 (Gever Tulley teaches life lessons through tinkering)

[TED2009 4分08秒]

<その他の関連リンク>
ゲーバー・タリーのブログ: some things right
ツイッター:http://twitter.com/gever

2010年12月24日金曜日

クリスマスと身近なチャリティー

クリスマス前です。仕事帰りに渋谷の繁華街を通ったら、いつもはまず第一に「喧騒」を感じる街の雰囲気がきょうは何だか少し静かに、そしてにこやかに感じられました。自分は家に帰るだけだったのですが、その感じをいいなぁと思いながら歩いていました。

先日、知人から「チャリティーサンタ」という取り組みについて聞きました。東京近郊や各地の主要都市などで、クリスマスイブの夕方~夜間に、ボランティアの大学生が扮したサンタが来訪を申し込んだ家庭を訪れるというサービスです(プレゼントは、親が準備したものを当日来訪の直前にサンタさんに渡しておくんだそうです)。

http://www.charity-santa.com/

これが興味深いのは、サンタによる訪問を申し込んだ家庭は1000~2000円程度の"チャリティー金"を渡し、そのお金が途上国の子どもの教育の支援などに使われるという点です。訪問した日本の子どもたちを喜ばせ、それにより依頼した親を笑顔にし、そして途上国の子どもたちにも感謝される-上手い仕組みを考えたなあと感服しました。良いアイデアと実践を組み合わせたこうした活動は、すごく共感を覚えます。

そんなことを考えているうちに、思考がふっと別のところに飛んで、クリスマスとチャリティーをキーワードにしたiPhoneとかiPadのAppsなんてあれば面白いのにな~なんてことが頭に浮かびました。自分はクリエイターでもプログラマーでもないので具体的な何かがある訳では全くないのですが、100円とか200円のAppsの全額もしくは半額ぐらいをチャリティーに回すという原則でクリスマスやサンタクロース関連のちょっとしたソフトを販売する、というのは有りなんじゃないかと感じたのです。

(クリスマスに関係なく)NPOなどが無料のAppsを配布してそこから簡単に寄付ができるような仕組みを入れ込んでおく、ということは今でも行われています。でも、一般に金額が安く購入のハードルが低いというAppsの特徴を生かせば、有料でも比較的受け入れられやすいかもしれません。特にそれが商業目的でなく、売り上げが寄付に回るということであれば、一層そうなのではないでしょうか。もちろん、Appsの魅力次第というのは言うまでもないところで、そこに具体的なプランがない以上ここからは話を展開することができないのですが。でもクリスマス前に浮かんだこのアイデア、時間を見つけてもう少し膨らませてみても良いかもしれません。

2010年12月20日月曜日

ひつじ不動産「東京シェア生活」

これからシェア生活を始めたいとか思っている訳ではないけど、ちょっと気になっていたひつじ不動産の本を読みました。

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シェア生活用の物件に特化したひつじ不動産が監修し、都内にあるシェア住居の雰囲気や住民、デザイナーの声などを紹介したのがこの本です。

冒頭で、シェア住居の原則として2点が挙げられています。
「リビングルームやキッチンといった、入居者同士の交流を自然にうながす要素を持った共有スペースがあること。」
「原則として同居していない運営者が管理の最終的な責任を担っていて、入居者は各々家賃を支払うこと。」

このうちの2番目の項目が、シェア生活への注目を集める上で特に重要なのかなという気がしました。ひと昔前、自分が学生だった頃や、また留学していた時も、シェア生活をしている友人はいました。でもその多くは複数人数で住める広めのマンションや一軒家を友人・知人と共同で借りて住むという形でした。トラブルがあれば自分たちの間で解決しなければなりませんし、誰かが出ていくとなれば新しい同居人を探したり、またその人が見つかるまでは家賃を少ない人数で負担しなければいけなかったり、といった大変さがありました。

それがいいんだ、という人ももちろんいるでしょうが、第三者としての運営会社が物件のデザインや品質管理をしっかり行い、不満やトラブルの仲裁役としても機能してくれ、同居人数の増減によって家賃負担が変わったりすることもないという点は、シェア生活へのハードルを下げる上で大きな役割を果たしているはずです。

この本を読んでいちばん興味深く感じたのは、「若者以外は対象になるんだろうか」ということです。いまのシェア生活は学生から20、30代の独身者が主な対象になっていると思うのですが、例えばカップルや既婚者、子どものいる家族を対象にしたシェア住居にはどんな形が考えられるのか。また、日本では一定年齢以上になると単身赴任をする会社員も多いのですが、そうした家族持ちの単身層だとか、あるいは高齢の単身生活者などに向けたシェア住居というのはあり得るのか?

孤立社会とか無縁社会といった言葉も飛び交う中、「個」と「共」のエリアを新たな形で結びつけようというシェア住居が、今後そういう方向にも展開していくと面白そうだなと感じました。

2010年12月17日金曜日

Playing for Change ~ Imagine

以前にも書いたことのある、"United grassroots musicians around the world"とでも呼ぶべき音楽家たちのプロジェクトPlaying for Changeによる新録曲が、ネット上で公開されました。今回彼らが取り上げたのはジョン・レノンの「Imagine」。言わずと知れた超名曲です。

Imagine from PlayingForChangeFoundation on Vimeo.


今回も特筆すべきは、参加した多様な音楽家たちが心から楽しそうに、のびやかに歌ったり楽器を奏でたりしていることでしょう。「Stand By Me」「One Love」などの際もそうでしたが、このことがPlaying for the Changeによる名曲のカバーを、オリジナル版に匹敵するほど素晴らしい、特別のものにしているのだと思います。この曲を聴いて、音楽っていいなと改めて感じました。