今回の大震災では本当に痛ましい被害が出ていますが、歌の力を通じて少しでも被災された方々を元気づけたり、支えたりしようという動きも出て来ています。もしかしたらこの曲にもいくらかそんな力があるかもしれない、と思って紹介することにしました。
Ze Frank (ゼイ・フランク)「Chillout Song」
ゼイ・フランクは、カリフォルニアを拠点に、ウェブ上で番組の司会やパフォーマンスを行ったり、人々に参加を呼び掛ける企画を立てたり、という活動を行っています。ウィキペディア(こちら)では、「オンライン・パフォーマンス・アーティスト、作曲家、ユーモア作家、講演家」と書かれています。
「Chillout Song」は、日本語でいえば「心を落ち着かせる歌」とでもいった感じでしょうか。この曲の企画は、ローラという女性がゼイにメールを送ったことがきっかけに始まりました。ゼイのウェブサイトに曲が生まれたいきさつが書いてあるので(こちら)、簡単に要約します。
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新しい土地に引っ越し、新たな仕事を始めて環境の激変に疲れてしまったローラが、ゼイに「心が打ちのめされてしまった時のための曲を作ってもらえませんか」というメールを送りました。彼女は、以前にゼイが、夜に1人で寝るのを怖がる子どものために歌い聴かせる曲をファン(もしくは知り合い?)からの依頼で作ったことを知っていたのです。メールを読んだゼイは、打ちのめされた(overwhelmed)時には実際どんな風に感じるのかをローラに尋ねつつ、一方で短いメロディと歌詞を作り、それにコーラスをつけてくれるようにという依頼を(ローラに知られないよう)静かにネット上で流します。
呼びかけに応じて、コーラスの録音が続々と送られてきました。ゼイはそれを曲にまとめ始めます。そして最初のメールから約ひと月が過ぎ、ローラから「お願いしていた曲はもう無くなってしまったんですね」というあきらめのメールが届いた数日後、ゼイは完成した曲をローラに送ります。ローラは、自分と縁も何もない、見知らぬ人の参加と協力によってこの曲ができたことに、大きな感銘を受けます。
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人を静かに元気づけようとするこの曲のメロディと歌詞もすごく好きなのですが、市井の人々の善意がひとつの曲を作り上げたというストーリーもいいなあと思います。ネットが持つポジティブな力の一面を表すプロジェクトだと言えるかもしれません。
実はこの曲、ゼイ・フランクのTEDトーク「Ze Frank's web playroom」を翻訳していて見つけました。トークの最後でこの曲のことが語られています。一次訳は終わっていますが、3/21時点でまだレビューしてくれる人がついていないので、日本語訳は未公開です。日本語訳がアップされたら、またお知らせします。
2011年3月22日火曜日
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