2011年4月4日月曜日

2冊の写真集

最近、これはいい!と感じる写真集2冊に続けて出会いました。

まずは、先日このブログでも取り上げた(こちら)野村哲也さん(新書「パタゴニアを行く」の著者)による、パタゴニアの写真集。

PATAGONIA―野村哲也写真集
PATAGONIA―野村哲也写真集野村 哲也

風媒社 2010-02
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新書では文章も良かったのですが、こちらの写真集はまさに「写真だけ」で勝負、という作品です。巻末にそれぞれの写真の簡単な解説はついていますが、あとはほぼ写真のみ。空、雲、山、道、海、氷河・・・といった、パタゴニアの風景を織りなす要素が、見事に写し取られています。パタゴニアは天候が変わりやすい場所だと聞きますが、その中でこれだけ鮮やかな写真を撮ることができたのは、現地に住んだからこそなのでしょう。

そしてもう一冊は、宇宙の写真集です。
ファー・アウト―銀河系から130億光年のかなたへ
ファー・アウト―銀河系から130億光年のかなたへマイケル ベンソン Michael Benson

新潮社 2010-11
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こちらは、銀河系から徐々に遠くへ向かい、130億光年のかなたまで、宇宙と星々の写真を載せたものです。写真はハッブル宇宙望遠鏡やNASA、地球にある巨大な望遠鏡や大学の研究施設などから提供されたものが使用されています。無数に散りばめられた星や、ガス星雲、遠くに浮かぶ銀河など、圧巻の写真がページをめくるたびに現れます。大判のサイズを上手く活かした、迫力あふれる写真集です。

パタゴニアの写真を見ては「いつかはここを訪れてみたいな」と思い、宇宙の写真を眺めると、そのスケールに圧倒されました。 そういう意味ではこの2冊の写真集は大分と趣きを異にするものなのかもしれません。ただ、どちらも、日常からすこし離れて遠くに思いを馳せるきっかけを作ってくれたという点では同じ効果を持っていました。日々いろんなことがあって、知らず知らずのうちに目の前のことに追われがちになってしまう中、視線を遠くに導き、夢や想像力をかきたててくれるこうした写真集は、すごく貴重なものに感じられます。

2011年3月31日木曜日

「カーク・シトロン:本物のニュースとは」(日本語訳文)

以下は、TED Talksのひとつ「カーク・シトロン:本物のニュースとは(Kirk Citron: And now, the real news)」の、拙訳による日本語訳文です。このトークの紹介についてはこちらをご覧ください。

2011年3月28日月曜日

「カーク・シトロン:本物のニュースとは」(紹介)

自分がこれまでに翻訳したTEDトークを紹介するエントリです。

「カーク・シトロン:本物のニュースとは (Kirk Citron: And now, the real news )」

[TED2010, 3分22秒]

The Long News」というサイトのキュレーターがそのプロジェクトの狙いと意義を伝える、短いトークです。

「The Long News」は、50年後、100年後も重要であり続けるであろうニュースを見出し、それに光を当てて残して行こうという取り組みです。ダニー・ヒリス、スチュアート・ブランド、ケビン・ケリーらが設立した「ロング・ナウ協会」のプロジェクトの一つとして行われています。

自分たちが日々さまざまなニュースに囲まれて過ごしていることは実感しやすいものだと思いますが、例えばロイター1社だけで年に350万ものニュース記事を配信しているという冒頭のひと言には驚きました。膨大なニュースの中で長期的にも重要な意味合いを持つものは限られていて、しかも、必ずしもそうしたニュースが大きな扱いを受ける訳ではないという主張も納得ができるものです。「The Long News」のサイトを見ると、あまり頻繁に取り上げるニュースのアップデートがされていない(最近は月に1~2回程度)ので、どれ程日々のニュースを詠み込んだ上での選択なのだろう?というのは若干疑問を感じますが、このトークで語られている理念には共感を覚えます。

我が身に引きつけて言うならば、日本ではいま、東北から関東を襲った大震災のニュースが日々大量に流れて来ています。その時々の最新ニュースに注意を払うことはもちろん大切ですが、目先の情報のみにとらわれることなく、今回の地震・津波およびそこから派生した原発の問題まで、この災害がもたらした甚大な影響の中で50年先、100年先にまで伝えていくべきことは何か、という視点を時には持つことも必要なのではないか、という気にさせられました。